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[ビジネスニュース]ベトナム政府は態度未表明も、識者は米新政権の貿易政策に期待(JETRO)
米国大統領選挙で民主党のジョー・バイデン氏の勝利が確実となったが、ベトナム政府は11月11日時点で選挙結果に対する態度表明をしていない。一方で、当地報道によると、新政権下の貿易政策でベトナムはメリットを受けるとみる有識者が多い。

まず期待されるのは、米国が環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)へ復帰を念頭に、ベトナムとの自由貿易協定(FTA)に対して前向きな姿勢を示すことだ。米国インディアナ大学のダン・ホアン・ハイ・アイン客員教授は、バイデン氏はトランプ大統領とは異なり、保護貿易主義に否定的で自由貿易を支持していると指摘。米国はベトナムの最大の輸出先であり、仮にFTAが実現して関税の減免が進めば、ベトナムは恩恵を受けると予想した(「VNエクスプレス」11月9日)。

ベトナムの輸出超過に対する米国からの圧力低減も期待される。中国からベトナムへの生産移管の加速を受け、ベトナムの対米貿易黒字が拡大している。ベトナム税関総局によると、2020年1~9月の米国向け輸出は前年同期比22.7%増の547億ドル。対米貿易黒字は30.8%増の444億ドルとなった。米国は2019年5月にベトナムを為替操作の監視対象国に認定し、追加関税を検討する姿勢を示してきた。直近では10月にベトナムの為替政策に対する調査を開始している。地場大手ファンド運営会社インドチャイナ・キャピタルのマイケル・ピロ最高執行責任者は、バイデン氏はベトナムを含む多くの国に対する貿易赤字を懸念しているが、トランプ政権のような圧力をかける可能性は低いと指摘した(「VNエクスプレス」11月9日)。

新政権の対中政策にも関心が集まる。ベトナムではトランプ政権の対中政策に好意的な声が多く、強硬路線の継続を望む人が多数を占めている。ファム・クアン・ビン元駐米ベトナム大使は、大統領が民主党か共和党にかかわらず、米国は中国に対して厳しい政策を継続すると分析した(「ベトナム・ファイナンス」11月6日)。米中貿易摩擦がすぐに収束する見通しは立たず、ベトナムは中国からの生産移管の受け皿として、引き続き恩恵を受ける可能性が高いとみられる。

参考:JETRO
12 November 2020
Fact-Link Vietnam