［ビジネスニュース］ベトナム 2023年第3四半期のGDP成長率は前年同期比5.33％、力強さに欠ける回復（JETRO）

［ビジネスニュース］ベトナム 2023年第3四半期のGDP成長率は前年同期比5.33％、力強さに欠ける回復（JETRO）

添付資料ベトナム統計総局は9月29日、2023年第3四半期（7～9月）の実質GDP成長率（推計値）を前年同期比5.33％と発表した。2期連続で前期の伸びを上回る成長率となった。しかし、1～9月の成長率は4.24％にとどまり、2023年当初の政府の通年GDP成長率目標（6.5％）の達成は厳しい見込みとなった。産業別の成長率は、農林水産業が3.72％、製造業を含む鉱工業・建設業が5.19％、サービス業が6.24％だった（添付資料表参照）。農林水産業では、生産・収穫量が前年同期より増加した品目が多く、安定した成長となった。 GDPの24％を占める製造業の成長率は5.61％（前期比5.01ポイント増）だった。1～9月の輸出額は前年同期比8.2％減と、前年同期比12％の落ち込みだった上半期に比べると、下落率が緩やかになっている。しかし、景況感が好転したとは言い難い。英国の調査会社IHSマークイットによるベトナムの製造業購買担当者景気指数（PMI）は、8月に6カ月ぶりの50超えとなったが、9月は再び49.7に下落した（注）。サービス業は、ホテル・飲食や文化・レジャーなどが好調だった。1～9月の国外からベトナムへの訪問者数は約889万人で、前年同期の4.7倍となった。卸売り・小売りは7月から始まった付加価値税（VAT）の税率引き下げ（2023年7月10日記事参照）などに支えられたが、需要を大きく喚起するまでの効果は出ていないとみられる。不動産は低迷が続いている。政府は第3四半期までの経済情勢を踏まえ、通年のGDP成長率目標（6.5％）の軌道修正を進めている。9月30日の政府定例会議で、計画投資省は第4四半期（10～12月）に7～10.6％、通年5～6％の成長率を達成する新たな経済成長シナリオを提示した。グエン・チー・ズン計画投資相は経済が徐々に前向きな状況になっているとしつつ、「通年で5～6％の成長率でさえ達成するのは非常に困難で挑戦的だ。第4四半期の成長は、特に製造業をはじめ、工業生産の回復にかかっている」と述べた。これに対して、ファム・ミン・チン首相はベストを尽くして通年6％の成長シナリオを目指すよう、会議に出席した各省庁や地方省などの代表に呼びかけた。（注）製造業の購買責任者を対象に、生産高や新規受注、在庫水準、雇用状況、価格などの状況を評価する指数。0から100の間で変動し、50を超えると「前月比で改善や増加」、50未満は「前月比で悪化や減少」を表す。引用：JETRO

09 October 2023	Fact-Link Vietnam